犬の病気

Dog infection

犬の病気について

どのような病気であっても、普段と違う様子を見せた時は何かの兆候の可能性があります。
一時的なものである場合もありますが、重大な疾患を抱えているケースもあり、飼い主様ご自身で判断しかねる際は、すぐに当院まで連れて来てあげてください。
また、嘔吐や下痢を発症している際は、いつ嘔吐したのか食前?食後?、どんな便の状態だったのか?食生活に変化はなかったか?など確認しておきましょう。

認定医でもある当院院長がきっちりと診察させていただき、ペットと飼い主様のお力になります。

犬の体調チェックポイント

野生動物によく見られる傾向ですが、飼い犬でも、本能的に病気を隠す傾向が見られます。
本来、野性下で弱っているところを見せてしまうと、あっという間に捕食者に捕食されてしまうため、多くの動物は本能的に病気の症状を隠すことが多いのです。
そのため、何気なく見ているだけでは気づけないこともよくあるので、少しでも違和感を感じたら下記に当てはまらないかご確認ください。

こんな様子は見られませんか? 犬の体調チェックポイント

  • 嘔吐した
  • 下痢をしたり、血便(赤黒や赤色の便)をしている
  • 散歩に行っても便も尿も出ない
  • 水を飲む量が急に増えてしまった
  • 「ハッ、ハッ、ハッ」と細かく苦しそうに呼吸している
  • 食欲がない
  • 頻繁に痒がって、かいてしまったり、何かに体をこすりつける
  • 触るとキャンッと鳴いたり、嫌がったりしてしまう
  • 外傷(けがや出血)がある
  • 跛行している(足をひきずって歩く)
  • 誤飲した
  • 口臭や体臭がきつくなった

代表的な犬の病気

病名 外耳炎
症状 外耳道での炎症
原因 アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、耳掃除のやり過ぎ

日常診療でいちばん多く見られるのは外耳炎で、特に小型犬に多く見られます。
耳の中は外耳、中耳、内耳と分かれており、鼓膜の手前までを外耳、鼓膜の奥を中耳、さらにその奥が内耳と呼びます。
外耳炎とは鼓膜までの外耳道に炎症を起こす病気です。
治療としては耳の毛が生えている場合は抜毛します。その後、耳専用の洗浄液で耳垢を取り除き、耳の中を徹底的にキレイにしていきます。
重症になると内服薬を使用します。
症状にもよりますが、2週に1回の通院で、3~5回程度で軽減することが一般的です。
早期発見は治療期間も短くなり、ペットの負担も少ないため、お早めにご来院ください。

病名 胃腸炎
症状 嘔吐や下痢・腹痛といった消化器症状
原因 各種感染症や食べた物が合わなかった場合に起こりやすい症状です。

小型~中型の犬によく見られる病気です。
一般的に、
・食欲がない
・下痢、粘液便や粘血便が出る
・朝起きると嘔吐の痕跡がある
・食事の前に泡状のものを吐く
などの兆候があります。
食べ物が原因で起こることや、一時的な風邪のような場合もありますが、肝・膵・腎臓病、腫瘍、異物の誤食から起こることもあるため、早めの受診をおすすめします。
一般的には、点滴や内服薬により数日で治ることがほとんどですが、治療に反応が見られない場合は、内視鏡、CT、MRIなどの検査が必要になるため、必要に応じて、検査機器を取り揃えている病院と連携して治療していきます。

病名 椎間板ヘルニア
症状 痛がる、後肢麻痺
原因 脊椎への過度な負担

小型~中型の犬によく見られる病気です。

ミニチュア・ダックスやペキニーズ、トイプードルなどの小型犬種に特に多く見られます。
朝起きて異常に気づくなど、兆候もなく急に発症することもあります。

椎間板ヘルニアは、激しい運動や肥満、骨の老化などが原因で、脊椎の椎間板の負担が大きくなることで起こります。
神経痛症状だけのこともありますが、重症化すると後肢の麻痺が起こり、前肢で体を引きずるような動きが見られることがありますので早めの来院をおすすめします。

血液検査とレントゲン検査を行って軽度の椎間板ヘルニアと診断した場合は、鎮痛剤を処方し数日で治まることが一般的です。
重症で麻痺がみられた場合は、好中球エラスターゼ阻害剤による内科的治療を実施しています。
また、手術をご希望される飼い主様には、CT、MRIなどの検査が必要になるため、検査機器を取り揃えている病院と連携して治療していきます。

病名 認知症
症状 普段と異なる異常な行動
原因 老化による

近年のペットの長寿命化、高齢化により、認知症も見られるようになってきました。
・夜鳴きをする
・敷地内や室内の隅に入りこみ、抜け出せずに鳴き続けている
・日中は寝ていて、夕方から起き出して徘徊する
これらの症状が見られたら認知症の可能性があります。
認知症には有効な治療方法がなく、DHA/EPA含有サプリメントで症状の緩和を目指します。
各家庭により状況は異なります。ご家族がどのように付き合っていくのが良いかなど一緒になって考えましょう。