検査

Examination

当院の検査方法について

当院では、必要に応じて様々な検査を行って、病気の発見・診断・治療を行っております。
普段あまりペットを動物病院に連れてきていない飼い主様などは、どんな検査をされるのか分からなくて不安。ペットが痛い思いをするんじゃないか?など不安に感じられることもあるかと思います。
そのような不安を抱えておられる飼い主様に安心していただくためにも、認定医も在籍する当院の様々な検査方法の一例をご紹介いたします。

皮膚細胞診

病変部にスライドガラスを押し当てて、皮膚の表面にいる菌や細胞を確認する検査です。
染色したスライドガラスを顕微鏡で見て、どのような菌や細胞がみられるのか確認します。

感染症の場合はブドウ球菌、変性好中球、マラセチアが確認できます。
免疫の絡んだ特別な皮膚病の場合は棘融解細胞が確認できます。

毛検査

抜いた被毛を顕微鏡で見る検査です。
毛周期の状態やメラニン色素の分布など被毛を見ることで脱毛症を診断します。
毛の中に糸状菌(カビ)がいないか確認します。
毛包虫症の場合、毛根にニキビダニ(毛包虫)がいることがあります。

スクレーピング検査

皮膚を鋭匙で引っ掻いて寄生虫がいるか顕微鏡で確認する検査です。
毛穴の中にいるニキビダニ(毛包虫)や角質層内の疥癬虫(かいせんちゅう)の虫体を確認します。

ウッド灯検査

特殊な紫外線を被毛に当てて糸状菌(カビ)を確認する検査です。
被毛内に糸状菌がいるところは蛍光色に光ります。
蛍光色に光る糸状菌はMicrosporum canisというカビです。

皮膚生検

皮膚病の中には病理検査にて診断することが必要なものがあります。皮膚生検とは皮膚の一部を切り取り、病理検査によって診断する検査です。
【手技】
皮膚に局所麻酔を施し、φ6㎜の生検用メスで皮膚を採材、その後2針ほど縫合します。
採材した皮膚はホルマリン液につけて皮膚病専門の病理検査センターに送り、後日診断結果が報告されます。

細菌培養同定

皮膚に菌が感染している場合、一般的には抗生剤を使って治療を行います。
しかし、感染した菌が耐性菌の場合は抗生剤を飲んでも効果を認めないことがあります。
その場合は、どんな菌が感染しているか確認し、どんな抗生剤が有効なのか調べることが必要となります。
その結果から適切な抗生剤を選択し治療を行います。
検査は専用キットを用いて病変部を綿棒で擦って菌を採取するだけです。

薬剤感受性テスト

細菌を増やすことによってどの抗生剤が効くのか調べる検査です。
細菌の中にはメチシリン耐性菌や多剤耐性菌など抗生剤が効きにくい種類があります。
抗生剤を投与しているけど改善がみられない場合は、使っている抗生剤が効いていないかもしれません。
検査結果から効いていないことがわかれば、別の種類に変更することが必要となります。

血液検査

当院では血液検査は貧血や白血球数などの項目や各臓器(肝・腎・膵)に異常がないか確認します。
皮膚病の場合、アレルギーの場合はお薬を長期継続することが多いため、定期的な血液検査を行います。
また、免疫を下げる治療を行う特殊な病気の場合は、お薬を飲み始める前に体の状態を確認する必要があります。
この他、IgE検査やリンパ球反応検査など特殊な項目を検査センターに依頼することもあります。

レントゲン検査

一般的な胸部や腹部のレントゲン撮影を行います。
特に高齢になると心臓病が潜んでいることがあるので、必要に応じて撮影します。
また、胸の中に大きな腫瘍ができたり、膵臓の腫瘍が原因で皮膚病をおこすことがあるのでその場合もレントゲンで異常がないか確認します。

超音波

血液検査で内臓に異常が見つかった場合は、それぞれの臓器に腫瘍がないか確認するために超音波検査を行います。
また、クッシング症候群の場合は、副腎の大きさを確認するために行います。

糞便検査

食物アレルギーの場合、幼少期から下痢や血便を伴うことが多く見られます。
しかし、幼少期の場合は腸内寄生虫がいるために下痢を起こしていることがあります。
糞便検査を行って寄生虫がいるかどうか確認することが必要となります。

尿検査

家中のあちこちでオシッコをしたり血が混じったりするなどの場合は、膀胱炎が起こっているかもしれません。
膀胱炎の場合は下腹部がムズムズするため、おなかや陰部を舐めたりすることがよくあります。
頻回に排尿する場合は検査を行います。